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今回は犯人が『プラソン』の事件の話になります。
真行寺十四郎は、還暦を迎えた名探偵。安ものの入れ歯のせいで話す言葉にも支障がでるようになっていたが、そんな事はまったく気に留めないマイペースな性格だった。
今日も、偶然訪れた孫娘の高校で殺人事件に出くわしたのだった。
演劇部で文化祭の出し物の練習中に主役の武本が毒殺された。小道具の毒薬が本物にすり替わっていたのだった。この芝居は、哲学者ソクラテスの生涯を描いたもので、問題の毒薬はソクラテスが「悪法も法なり」と言って、毒杯をあおって死ぬというクライマックスのためのものだった。
容疑者は三人、主役を奪われて弟子のプラトン役になった野上。武本に恋人を奪われた小道具係の石田。この芝居の企画者で武本にいじめられていた留学生のソン。
十四郎は得意のセリフを口にした。
「謎はすべて解けた。犯人はプラソン、あなただ。」
肝心なところでかんだ。
プラトンと言うべきところをプラソンと言ってしまった。
しかし、十四郎は、かんだ事を認めようとしないタイプだった。
そして、こう続けた。
「犯人は『プラソン』すなわち、プランナーのソンさん、あなただ。」
彼のどうしてそんなに自信がもてるのかと思わせるほどの威圧感のこもっただけの何の証拠も根拠もない言葉の前に、ソンは観念してしまった。
そして、名探偵真行寺十四郎の名声が高まる事となった。
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